1958年に創業した「旧:前田薬品工業 株式会社」の社名変更に伴うCI,VI制作のお仕事です。 半世紀にわたって薬の研究開発・製造に取り組んできた同社の事業領域拡大と未来への新たな目標を柱に、製薬会社から人々のウェルネスを考える会社へと成長していくためのミッション策定からお手伝いさせてもらいました。 化粧品や飲食、旅行やサウナなど多岐にわたっていますが、根っこにあるのは「人と社会に新陳代謝を起こす」という想いです。 良い巡りがあれば、人も地域も健やかになる。そんなメッセージや型にハマらないポジティブで強い社風を表すためのマークとして、新たな社名である『MAE(まえ)』のロゴタイプにもいくつかの思いを仕掛けました。 まず、このロゴマークの中には、ゴシック体と明朝体の2つのフォントがあります。ゴシック体は明治期以降に登場した、比較的新しいフォントです。「明快」「未来志向」といったイメージを表します。 一方、明朝体の歴史は古く、伝統的な書体であることから「伝統」「頼」を表します。貴社の歴史を紐解いたときに、革新と挑戦という攻めの要素と、格式を重んじる要索の融合こそが「MAE」にふさわしいのではないかと至りました。また、大文字は、「梅成」「重要性」を、小文字は「親しみやすさ」「コミュニケーション」を表します。フォントと文字の種類の双方向からイメージを膨らませていきました。 当初は、「Amazon」や「Google」などのナショナルブランドのロゴマークのような黄金比での展開を考えていましたが、そういった普通的な予定調和よりも、よりクリエイティブでユニーク、かつ、制約(製菜)を壊すといった価値観を大切にしょうということになりました。マトリックスを組んだ時に、無機的(静的)&安定(単調)から有機的(動的)&変化の軸が交わる位置を狙うことを選びました。 この選択は、ある種、デザインの分野におけるロゴマークの「お作法」を無視した設計になっています。 3つのポイントとして、 1 企業のモチーフを記号化しない 2 これまでの前田薬品工業「らしさ」を踏襲 3 普遍的ではなく、何にもとらわれない自由なメッセージ性をテーマに掲げました。 つまり、既視感や安定性を避け、変化を恐れないことをとし、「新陳代謝」に繋げていくという意図を前面に打ち出すロゴマークが完成しました。 世間に存在するものの中で、簡単に説明ができてしまうことに対して感情が動かないことが多いですが、そうではなく、このロゴマークがひとりでも多くの人の感情を動かすきっかけになればと思っています。 クリエイティブディレクション 高木新平(NEWPEACE) デザイン・アートディレクション 羽田 純(ROLE) モーションロゴ 倉本浩幸 ウェブコーディング 藤井 翔太、西本 裕亮 クライアント 株式会社MAE
ページトップへ戻る
copyright©STUDIO ROLE.All Right Reserved